DPCの制度について簡潔に紹介します。
DPCとは何の略?
Diagnosis Procedure Combination の略で、それぞれ、
- Diagnosis = 診断
- Procedure = 治療や手術の行為、手法
- Combination = 組み合わせ
という意味になります。
もともとDPCという単語には単に「診断群分類」という意味しかなかったのですが、DPC = 包括支払制度と認識されることが多いため、DPC制度と呼ばれるようになりました。
※DPC/PDPSと表現されることもあります。これは Per-Diem(1日あたり)Payment(支払)System(方式)の略になります。
DPCを構成する4つの要素
DPCは大きく分けると以下の4つから構成されます。
- 傷病名選択
- 1日あたり定額
- 包括+出来高
- 医療機関別係数
傷病名選択
治療にもっとも資源を投資した傷病名を1つ選びます。

またその時の患者の状態や重症度、副傷病、手術や処置があったかどうかでコードが決まり、それによって点数が決まります。
1日あたり定額
各傷病の入院点数は入院日数によって変わります。入院期間が短い方が高い点数が取れ、入院期間が長くなると、その分点数が低くなっていきます。

例えば上の図で言うと、入院期間Ⅰの間に退院させられればより高い点数が取れますが、入院期間Ⅰを過ぎ入院期間Ⅱに移行してしまうと、1日あたりの取れる点数が下がってしまいます。なお、入院期間Ⅲを過ぎると出来高算定となります。
詳しい計算の仕方についてはこちら。
包括 + 出来高

医療には包括されるものと、包括外となるものがあります。例えば、通常検査は包括される医療行為ですが、心臓カテーテル検査や内視鏡検査、穿刺による検査などは包括外とされます。また薬剤料についても通常は包括されますが、HIV治療薬や血液凝固因子製剤は包括外で算定されます。
医療機関別係数
病院の医療体制の度合いごとに、係数が設定されています。例えば係数が1.1だった場合、1,000点を算定できる入院基本料が取れたとすると、1,000点 × 10 × 1.1 = 11,000円/日 が病院の収入となります。
係数には以下3つがあります。
- 基礎係数
- 機能評価係数Ⅰ
- 機能評価係数Ⅱ
基礎係数
医療機関の基本的な診療機能を反映させた係数です。
大学病院本院群、DPC特定病院群、DPC標準病院群があり、それぞれの機能に応じて係数が変わります。
機能評価係数Ⅰ

機能評価係数Ⅰは、その医療機関の人員配置や施設全体の体制などを評価する係数です。
機能評価係数Ⅱ

機能評価係数Ⅱは、DPC参加による効率改善への取組みを評価した係数です。