ゴールデンウィーク明けに世界の製薬会社の売上ランキングが発表されましたので、紹介したいと思います。
製薬会社売上高世界ランキング(%は前年比)

- 1位 ロシュ(スイス)579.83億ドル(6.7%)
- 2位 ファイザー(米)536.47億ドル(2.1%)
- 3位 ノバルティス(スイス)519.00億ドル(5.7%)
- 4位 メルク(米)422.94億ドル(5.4%)
- 5位 グラクソ・スミス・クライン(英)413.00億ドル(2.1%)
- 6位 ジョンソン&ジョンソン(米)407.34億ドル(12.4%)
- 7位 サノフィ(仏)406.66億ドル(-1.7%)
- 8位 アッヴィ(米)327.53億ドル(16.1億ドル)
- 9位 イーライリリー(米)245.56億ドル(7.4%)
- 10位 アムジェン(米)237.47億ドル(3.9%)
- 11位 ブリストル・マイヤーズ スクイブ(米)225.61億ドル(8.6%)
- 12位 ギリアド・サイエンシズ(米)221.27億ドル(-15.2%)
- 13位 アストラゼネカ(英)220.90億ドル(-1.7%)
- 14位 ベーリンガー インゲルハイム(独)206.48億ドル(-3.1%)
- 15位 バイエル(独)197.60億ドル(-0.6%)
- 16位 武田薬品工業(日)190.85億ドル(18.5%)
- 17位 テバ(イスラエル)188.54億ドル(-15.8%)
- 18位 ノボ ノルディスク(デンマーク)167.75億ドル(0.1%)
- 19位 アラガン(アイルランド)157.87億ドル(-1.0%)
- 20位 セルジーン(米)152.81億ドル(17.5%)
- 21位 バイオジェン(米)134.53億ドル(9.6%)
- 22位 アステラス製薬(日)118.87億ドル(0.5%)
- 23位 大塚HD(日)117.57億ドル(4.2%)
- 24位 マイラン(米)114.34億ドル(-4.0%)
新しい抗がん剤が好調のロシュ

ロシュは2017年発売した多発性硬化症(MS)の再発寛解型、一次性進行型と二次性進行型に対する治療薬、抗CD20抗体「Ocrevus」の売行きが非常に好調のようで、2018年には全世界で24億ドルを販売。今後も進行型で薬物治療を受ける患者数は増え続ける見込みで、市場はさらに拡大しつつあります。
ただ今年には新たにノバルティスやメルクからもMSの進行型に対する治療薬が承認を得ていますので、今後どのように使い分けされてくるかがポイントとなりそうです。もちろん、ロシュとしてはそのほかにもハーセプチンやアバスチンなども売上の土台を固めていますし、進行再発の非小細胞肺癌に対する抗PD-L1抗体「テセントリク」や「アレセンサ」も高い伸びを示しているようです。
ジョンソン&ジョンソンやアッヴィ、セルジーンなどは前年比10%超えに

ジョンソン&ジョンソンは12.4%、アッヴィは16.1%、セルジーンは17.5%と、この3社は非常に高い伸びを示しています。ジョンソン&ジョンソンは、乾癬や中等症から重症の活動期クローン病の治療薬「ステラーラ」や関節リウマチの抗体製剤「シンポニー」が売上を牽引しているようです。
またアッヴィは「ヒュミラ」、セルジーンは多発性骨髄腫の「レブラミド」がそれぞれ好調で、前年比2桁の要因になっているとされています。
シャイアーを買収した武田薬品工業は16位に。そのほかの日本企業の順位は?

武田薬品工業はアイルランドのシャイアーを買収し売上高が連結されたため、18.5%増の190.85億ドルとなり、昨年の19位から16位へ上昇しました。武田薬品工業単体で見ても5.3%増となっており、当初予定よりも上回っていたようです。
またそのほかの日本企業ではアステラス製薬が22位。新薬の売上は好調なものの、国内の早期退職などリストラにかかる費用が足を引っ張っていたようです。
大塚HDは、抗精神病薬エビリファイなど長期収載品が大きく落ち込んでいましたが、その分を水利尿薬「サムスカ」や抗てんかん薬「イーケプラ」、抗がん剤の「アブラキサン」などの伸びが上回ったようです。