次回の診療報酬改定ではオンライン診療についてさらに高い点数がつき、その実施を後押しするような改定になるのではと言われています。けれども実際にこのオンライン診療とはなんなのでしょうか?
ここではそんなオンライン診療について紹介していきます。
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オンライン診療とは?

オンライン診療とは、文字通りオンラインで診療を行うことです。病院やクリニックに足を運ばずに、アプリを使ってビデオ通話の要領で診察を受け、処方箋かあるいは処方箋に基づく薬剤を家まで郵送してもらうといったサービスが、現在少しずつ広まってきています。
もともとは、病院が近くにない地方、特に専門的な医療を受けるには車で何時間もかけて移動しなければいけないような場所における“遠隔診療”から始まりましたが、最近では病院と患者の“距離の制約”の解消だけでなく、様々なメリットがあると話題になっています。
オンライン診療のメリットとは?

オンライン診療にすることで、これまで課題とされていた様々な問題を解決できる可能性があります。
オンライン診療による課題解決の可能性その1:何度も病院に通うことが困難で、治療を脱落してしまう
長期間投薬が必要な治療であっても、最大3ヶ月までしか薬を処方することはできません。また疾患の種類や薬剤によっては1ヶ月ごとに診察を行い患者の状況を確認しなければいけないものもあるでしょう。
しかし毎回決まった時間にしっかりと来院できる患者ばかりではありません。家族やヘルパーが来る時でなければ通院できない高齢者や、通常病院が営業している時間に働いていてなかなか抜け出すことができないビジネスマンなど、多くの患者が定期来院について問題を抱えています。
オンライン診療が可能となれば、自宅にいながら、あるいは職場にいながらして診察を受け、投薬を継続して受けることができるようになるでしょう。
オンライン診療による課題解決の可能性その2:待ち時間が長く患者が離れてしまう
患者が増えてくれば待ち時間は長くなり、それだけ患者のストレスは増大します。何かしら体調を崩していればなおさらですし、子ども連れでの受診だと子どもがぐずってしまうなどということもよくあります。
オンライン診療であれば、患者からすればどこにいたとしても予約の時間にアプリを開ばいいだけです。場合によっては予約の時間までにオンラインで問診を済ませ、診察をスムーズに済ますことが可能になるでしょう。
オンライン診療による課題解決の可能性その3:慢性疾患の管理がうまくいかない
心不全や糖尿病など、日々の健康管理が重要な疾患では、それぞれ専用の手帳などで日々の体調や症状を記録することが推奨されています。それによって診察室では見つからないような重大な増悪の因子や治療を妨げる要因を見つけることができる可能性があるからです。
ただしそれらを活用するにあたって、診察室でそれらのツールをしっかりとチェックするという手間が発生します。これは診察時間が長くなり、それに伴い待ち時間が長くなる、しいては患者のストレス増加にもつながる要因となります。
オンライン診療であれば、上で述べた慢性疾患の日々の体調や症状を、アプリに直接入力できるようになります。そうなれば、予約が発生した時点で、医師は事前にそれをチェックし、診察に望むことが可能になります。
また患者がアプリに入力した時点で、その入力した項目が危険な兆候や症状であった場合、直接医師へアラートが飛び、医師の方からコンタクトをとり対処することで、増悪を防ぐといったことも可能になるでしょう。
なぜ国はオンライン診療を推進するのか?

今後の診療報酬改定では、オンライン診療に高い点数がつくことが予想されています。では国として、オンライン診療を推し進めていくことでどんなメリットがあるでしょうか。
国がオンライン診療を推進する理由の考察その1:在宅診療を進めていく上での効率性向上
そもそも現在の医療市場において、病床を縮小する動きから、在宅医療への転換を推し進めています。しかしなら患者を一箇所に集めて診療する病院主体の医療に比べて、在宅医療は各患者の家に訪問する必要があるため、どうしても上記に比べ効率が落ちてしまいます。
オンライン診療を活用することで、1人の医師がカバーできる在宅患者の数を増やすことが狙いなのではと言われています。
国がオンライン診療を進める理由の考察その2:介護コストの削減
ADLが低下して、怪我をして、あるいは病気の進行により、病院に通えない患者が一定数います。そしてその数は高齢化社会が進むにつれて多く鳴る傾向があります。
そういった患者が病院に来院しようとすると、ヘルパーなど公的な介護資源が必須になります。しかしながらその介護資源は有限ですし、それを家族が代行するとなると今度は労働資源の損失に繋がります。
自宅にいながらして診療が進むことで、そういった損失を減らすことが期待されていると言われています。
国がオンライン診療を進める理由の考察その3:多忙な世代の受診を促進
上でも述べましたが、多忙なビジネスマンも含め、若い世代であればあるほど病院を受診できる時間は限られてしまいます。そのため受診率が低下することで病気の発見が遅れ、最悪のケースになってしまうことも懸念されています。
オンライン診療が普及することで若い世代の受診率を増やし、労働資源でもある世代の健康寿命を延ばすことが期待されています。
次回の診療報酬改定では注目の的?オンライン診療のメリットとは?のまとめ

オンライン診療についてその診療上のメリットと、国が推進する理由について考察してまいりました。現在すでにいくつかの会社がこの領域に参入し、そのシステムが上梓されています。
これからますます増えていくであろう分野ですので、ぜひこれを機に勉強しておくといいかもしれません。
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